エネルギー保存則は物理学における普遍的な法則である.
エネルギー保存則はあらゆる状況で必ず成り立つと思っていたのだが実際にはそうではないらしい.
物理学では,対象とする物体や相互作用する環境をまとめて系と呼ぶ.一般的な系(2つのボールの衝突 から ブルジュハリファの最上階から地面に向かって華麗な飛び込みをきめるようなケース まで)では,エネルギー保存則は当然成り立つ.これは,これらの系において,エネルギーに関する時間並進性が成り立つからである.時間並進性とは物理法則の時間軸をずらしても,法則が成り立つ性質である.例えばブルジュハリファの最上階からの飛び込みを行う場合,その時間が朝8時でも夜21時でも,同じエネルギー保存則が成り立つ.
しかし,宇宙規模の系を考える場合,エネルギー保存則が成立しない.これは,宇宙全体のエネルギーは時間と共に増加してており,系として時間並進性が成り立たないからである.
では,宇宙全体のエネルギーはなぜ時間と共に増加するのか?これには2つの説(解釈)が考えられている.
1つはダークエネルギーと呼ばれるエネルギーの存在である.これは空間そのものが持っている一定のエネルギー密度が存在しているという仮説に基づいている.
2つ目が重力が負のエネルギーを持っているという説である.宇宙の膨張に伴い,重力が増加するので,重力が負のエネルギーを持つと仮定すると,エネルギー保存則のやぶれを解釈できるらしい.